ネジは人として生きていく中で幾度となく目にしたことのある物です。
誰でもわかる(乳飲み子以外)部品で、物と物を止める(繋げる)のが役割ですね。
バイクにとっても極めて重要な部品であって当たり前にある部品です。
しかし、ネジには多様多種で意外に奥深い部品だったのです。
私自身もホームセンターでネジを買い足すなんて当たり前で見た目とサイズさえ同じであれば躊躇なく使っていました。
マフラーのフランジナットをサビないようにステンレスナットに変更し、ドレスアップ。
決してその行為が悪い訳ではありません。
それぞれの特性を理解して使えば問題は無く、要所要所で使い分ける必要があります。
簡単に結論は、
そして1番の解決方法は、
「純正品のネジを使う」
特に「エンジン関係」「温度変化が大きい部品」「荷重が掛かる部品」は純正品を使いましょう。
バイクはネジが丸見えで雨ざらしの環境下で走行、保管する事が多いです。
ネジの選択を間違えたり、ドレスアップ目的で見た目だけで交換したりすると後々面倒な事が起きます。
それらを未然に防ぎ、なおかつ見た目もドレスアップして最高のバイクライフを楽しめるように情報を共有していきたいと思います。
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の基礎
ネジとは、円筒に溝が掘ってありネジ山になっている形状の部品です。
一般的に、
ボルトといわれるのは、上部が六角形、六角穴などになっていておねじになっているネジ。
ナットといわれるのは、六角形で穴があってめねじになっているネジ。
ビスorスクリューといわれるのは、上部がプラスやマイナスに溝が掘られておねじになっているネジ。
「物と物と止める(繋げる)」のが役割です。
基本的にこの役割は変わりません。
ネジをねじ込む時に右に回すと進むのが右ねじ(正ねじ)で、左に回すと進むのが左ねじ(逆ねじ)です。
基本的にネジは右ねじ(正ねじ)です。
オイルドレンなどネジが逆の状態で整備する時に分からなくなったら、時計を思い出して時計回りを考えて回します。時計回りが締まる方向で反時計回りが緩む方向。
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の規格や種類
バイクに使われるネジの規格には3種類。
国産車と輸入車で使っているネジの規格が違います。
- メートルねじ
- インチねじのユニファイ
- インチねじのウィット
1.メートルねじ
国産車は、メートルねじが使われています。
日本国内で使用されているねじは基本メートルねじです。
メートルねじは、ねじピッチが並目と細目の2種類。
下記はメートルねじの表示の読み方です。
ねじ山の角度は、すべて60度となります。
2.インチねじのユニファイ
輸入車(ハーレーなど)は、インチねじのユニファイが使われています。
アメリカ、イギリス、カナダの統一ネジです。
インチねじは、ねじピッチがUNC(並目)とUNF(細目)の2種類。
下記はインチねじのユニファイの表示の読み方です。
ねじ山角度はメートルねじと同じですべて60度です。
3.インチねじのウィット
基本的にインチねじのウィットは建設関係、水道関係で使用される事が多いので割愛します。
ちなみにインチねじのウィットだけ、ねじ山の角度が55度となります。
ねじピッチ
ねじピッチはねじ山の幅の事をいいます。
同じねじ太さ(直径)でもねじピッチが2種類あるネジもあります。
(並目しかないネジサイズも存在します)
- 並目ねじ(UNC)
- 細目ねじ(UNF)
・並目ねじ(UNC)
ねじピッチが広めでねじ山が少ない。
インチねじはUNCと表記されます。
・細目ねじ(UNF)
ねじピッチが細めでねじ山が多い。
インチねじはUNFと表記されます。
さらに、メートルねじの細目は同じねじ太さ(直径)でも何種類かあります。
それぞれのネジサイズでピッチは決まっているので下記サイトの一覧をご参考下さい。
ねじピッチの判断は目で見ても分かりません。
測定器具で「ピッチゲージ」があるのでどうしてもわからない場合はこの測定器を使うのが間違いありません。
引用元:フジツール株式会社公式HPより
また、「タップダイスセット」があれば試しに通してみればわかります。
引用元:株式会社ワールドツール(アストロプロダクツ)公式HPより
ネジ(ボルト、ナット、ビス)が締まる理由は?緩まない理由は?
何気なくネジは締まると当たり前に考えていますが、意外にネジの締まる理由を知っている人は少ないと思います。
問題です。
下記画像の①と②を見てください。
①は、ボルトとナットが挟み込む力でプレートを固定している図。
②は、ボルトが伸びようとする力が働いてプレートを固定している図。
(ボルト、ナット、プレートは同じ材質とします)
皆さんはどちらがネジの締まる理由だと考えていましたか?
答えは、②の方です。
この図でいうとボルトは、プレートとナットに固定されている状態でさらにボルトを締めていきます。
するとボルトは「伸びます」。
「伸びる」と反発する力が「縮む」。
その「縮む」力によってプレートは固定される。
これがネジに求められる「軸力」です。
バネ(スプリング)と同じ作用です。
バネ(スプリング)は伸びたら自動に縮もうとする力が働きます。
その力を利用しているのがネジです。
そして、ネジが緩まないのは「摩擦」があるからです。
プレートとボルトの接地面、ボルトとナットのねじ山接地面の摩擦力でボルトが緩まないようになっています。
これでネジが締まる理由と緩まない理由がはっきりしました。
この理由から導き出せるのは、「ネジは消耗品」と「ねじ山の接地面はキレイにする」です。
「ネジは消耗品」とは、ネジは伸びるからです。
何回も使用している内にネジは伸びたまま戻ってこなくなるようになります。
そして限界を迎えて捻じ切れてしまいます。
どれくらいの使用でダメになるかは環境や取付場所によってかなり変わりますが、エンジン関係のボルトは整備ついでに交換や必ず交換するボルトもあります。
「ねじ山の接地面はキレイにする」とは、摩擦力の確保です。
ねじ山の接地する面にゴミや汚れがあれば摩擦力は低下します。
同じトルク(力)で締め付けても緩む程度が変わってしまいます。
また、グリスをねじ山に塗る事によって摩擦力が安定します。
しかし、気をつけなければいけないのが同じトルク(力)で締め付けても摩擦力が無いので強いトルク(力)で締めるのと同じになってしまいます。
そうなってしまう事でトルク(力)をかけ過ぎてボルトなどを折ってしまう事があるので注意しましょう。
ボルトに塗るグリスは、二硫化モリブデングリスがおすすめだよ。
グリスの記事もあります。
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の種類
ボルト
ボルトは様々な種類が存在します。
実際にバイクで多く使われているボルトを5種類を紹介します。
- 六角ボルト
- フランジボルト
- 六角穴付きボルト
- トルクスボルト
- スタッドボルト
1.六角ボルト
ボルトの上部が六角形になっているボルト。
使う工具は、スパナ、メガネ、ソケットレンチなど様々です。
2.フランジボルト
六角ボルトと同じ形状ですが、上部のねじ山側に広がっていてワッシャと同じ役目を果たします。
座面の安定や陥没防止、緩み止め効果があります。
バイクのボルトに1番多く使われています。
使う工具は、スパナ、メガネ、ソケットレンチなど様々です。
3.六角穴付きボルト
ヘキサゴンや六角などと呼ばれるボルトです。
ボルト頭に六角形の穴があります。
ボルト頭が小さく出来るのでこちらもバイクに多く使われています。
使う工具は、ヘキサゴンレンチです。
4.トルクスボルト
ヘックスローブなど色々な言われ方があります。
ボルト頭に星型の穴があります。
イタズラ防止ボルトとして活用される事があります。
引用元:株式会社ベッセル公式HPより
使う工具は、トルクスレンチです。
5.スタッドボルト
棒の両側にねじ山があるボルトです。
バイクでは、マフラーとエンジンを繋ぐ部分やエンジン内部に使われる事が多いです。
引用元:株式会社 326POWERより
使う工具は、スタットボルトリムバーです。
ボルトの直径とボルト頭のサイズ一覧もあるのでご参考まで。
ナット
ナットは様々な種類が存在しますが、基本的に六角形の形のめねじがナットとなります。
- 六角ナット
- 六角フランジナット
- 袋ナット
- ナイロンナット
- 溝付き六角ナット
1.六角ナット
六角ナットは、3種類。
・六角ナット 1種
一般的に1番多く使われているナットで、片面が面取りされていて面取りされていない側を固定物側に当てて取付けます。
引用元:株式会社ウィルコ 公式HPより
・六角ネット 2種
両面が面取りされていて、どちらでも取付けが出来るようになっています。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
・六角ナット 3種
1種、2種よりも薄型形状になっています。
2種同様に両面面取りになっています。
ダブルナットとして使われる事が多い。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
2.六角フランジナット
フランジボルトのナット版です。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
3.袋ナット
六角ナット2種の片面側を半球形状に覆った袋状のナットです。
ねじ部を隠す事が出来るので安全性が高いナットになります。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
4.ナイロンナット(戻り止めナット)
ナットのねじ山部分にナイロン製のリングが埋め込まれているナットです。
ナットを締めるとナイロンリングとねじ山が干渉して緩み止めの効果があります。
ナイロン製のナットは再使用可能ですが、商品によっては再使用出来ない物もあるのでご注意下さい。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
5.溝付き六角ナット
ナット上部に溝を付けているナットです。
ねじ下部に穴があるボルトとセットに使い、締め込んだ後に割りピンを入れて緩み止めをします。
バイクでは、アクセルシャフトなどに使われる事があります。
引用元:株式会社ツルガより
ビス、スクリュー
ビス、スクリューは様々な種類が存在します。
実際にバイクで多く使われているボルトを2種類を紹介します。
- なべ小ねじ
- 皿小ねじ
1.なべ小ねじ
1番スタンダードなビスです。
鍋をひっくり返したような頭の形状になります。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
2.皿小ねじ
ビス頭上部が平らで、座面が円錐形状をしたビスです。
ねじの頭を出っ張らせたくない場所に使います。
バイクでは、一体式ブレーキマスターキャップのビスなど。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
ワッシャ
ワッシャは様々な種類が存在します。
実際にバイクで多く使われているボルトを2種類を紹介します。
- プレーンワッシャ
- スプリングワッシャ
1.プレーンワッシャ
1番多く使われるワッシャです。
固定する部品に当たる面積を増やして摩擦力が上がる効果があります。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
2.スプリングワッシャ
ワッシャの一部が切れてねじれた形状になっており、伸びようとする反発力によってネジや固定部品が押し付けられて緩み止めや脱落防止の効果があります。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の材質と特徴
ネジには様々な種類の材質があります。
バイクに使うネジの材質を6種類紹介します。
- 鉄(スチール)
- アルミ(アルミニウム)
- ステンレス
- 真鍮
- チタン
- マグネシウム
鉄(スチール)
鉄やスチールと呼ばれる事が多いですが、そのほとんどが「炭素鋼」で出来ています。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
メリットは、
- 安価
- 処理方法次第で特性が変化
- 粘り強く折れにくい
1.安価
材料、加工が比較的安価に出来るので価格も安価になります。
2.処理方法次第で特性が変化
炭素の含有量を変えたり、熱処理や表面処理次第でそれぞれの特性に変化出来る。
3.粘り強く折れにくい
ネジ自体の強度がある為粘り強く折れにくい。
デメリットは、
- サビやすい
- 剛性が低い
1.サビやすい
1番のデメリットで、すべての材質の中でも1番サビやすいです。
2.剛性が低い
強度は高いが剛性は低いので変形しやすい。
アルミ(アルミニウム)
表面処理をすることでカラーに出来るのでよくカスタムパーツとして使われる。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
メリットは、
- 安価
- 軽量
- 省エネ
1.安価
材料、加工が比較的安価に出来るので価格も安価になります。
2.軽量
鉄の約1/3の重量になるので軽量化に最適。
3.省エネ
アルミはリサイクルに最適な材質なのでSDGs。
デメリットは、
- 強度と剛性が低い
- 熱膨張率が高い
1.強度と剛性が低い
イメージ通りですが、アルミは強度、剛性が低いので破損しやすい。
2.熱膨張率が高い
熱で変形しやすく熱が掛かる場所には使用出来ない。
実際にアルミのボルトを使ってナメてしまった動画があるので一度ご覧下さい。
ステンレス
ステンレスも成分、熱処理によって特性が変わってきます。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
ネジでよく使われているステンレスは「オーステナイト系」となります。
ステンレスには、
「オーステナイト系」「フェライト系」「マルテンサイト系」の3つがあるよ。
あまり関係無いから説明は割愛するね!
メリットは、
- 耐食、耐酸、耐候性が高い
- 剛性が高い
1.耐食、耐酸、耐候性が高い
ある程度の環境下でも材質の変化がしにくいです。
1番のメリットがサビにくいがわかりやすいかと思います。
見た目の変化が少ないのでカスタムパーツとしても需要が多いです。
2.剛性が高い
剛性が高く変形しにくい。
デメリットは、
- 鉄やアルミに比べると高価
- 熱膨張率が高い
1.鉄やアルミに比べると高価
剛性が高い分加工がしにくいので価格も高価になります。
2.熱膨張率が高い
熱膨張率が高い為、摩擦でねじ部が膨張して焼き付け(かじり)が起きやすい。
真鍮
バイクではキャブレターの内部部品で使われる事がありますが、他にはあまり使われていませんので種類だけの紹介になります。
引用元:株式会社キタコ公式HPより
チタン
バイクであれば1番イメージが湧くのはチタンマフラーでしょう。
引用元:株式会社ウィルコ公式HPより
メリットは、
- 軽量
- 剛性が高い
- 耐食性が高い
1.軽量
鉄やステンレスに比べると軽量です。
1番のメリットとなります。
2.剛性が高い
剛性が高く変形しにくい。
3.耐食性が高い
サビに強く、使う場所を選ばない。
デメリットは、
- 高価
- 硬すぎる
1.高価
今回紹介している材質の中では材料が高く、加工がしにくい為に高価になる。
2.硬すぎる
1番のデメリット。
剛性が高すぎるがゆえに硬過ぎて変形しません。
ネジは伸びる事で締まるので硬すぎるとネジの効果としては弱くなります。
また、ボルトがチタンでナットが鉄の場合だとナット側だけが伸びてチタンは伸びません。
そうなるとナット側ばかりに負担がいき破損します。
締め付けるトルク(力)も通常通りにはいかずに力を入れ過ぎて折れます。
硬ければ高性能という訳ではないのだと考えておきましょう。
チタンは特に扱いが難しく、「軽量化」目的で使う場合が多い。
レース車両以外だったら使うメリットは無いと思うよ!
マグネシウム
マグネシウムもネジとして存在します。
ですが、バイクで使われているのは私自身は見た事がありません。
もしかしたら「マグネシウムホイールの部品」や「マグネシウムのクラッチカバーのボルト」などは使われている可能性がありますが。
最大のメリットは「軽量化」です。
どの金属よりも軽量なのです。
番外編 クロモリとは
引用元:株式会社ビトーアールアンドディー公式HPより
クロームモリブデン鋼の略でクロモリです。
合金鋳鉄の一種で、強度や耐久性、伸縮性、剛性などを向上させた商品です。
バイクでは特に使われている部品は、アクセルシャフトなどに多く採用されています。
ほとんどのSS系バイクのアクセルシャフトは、純正品で採用されているようです。
タイヤの接地感やハンドリングが軽快になるなど様々なメリットがあるようです。
また、クロモリシャフトで記事にしたいと思います。
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の表面処理の種類
ネジにそれぞれの表面処理をする事で耐久性、装飾性などの特性を追加する為に行います。
色々な表面処理が存在しますが、今回は5つの表面処理を紹介します。
- ユニクロメッキ
- クロメートメッキ
- ニッケルメッキ
- クロームメッキ
- アルマイト加工
1.ユニクロメッキ
亜鉛メッキを下地に光沢クロメート処理をしたもの。
装飾性の向上させて、耐食性を少し向上します。
引用元:株式会社八幡ねじ公式HPより
2.クロメートメッキ
亜鉛メッキを下地に有色クロメート処理したもの。
耐食性を向上させる。
引用元:株式会社八幡ねじ公式HPより
3.ニッケルメッキ
無電解ニッケルメッキと電解ニッケルメッキの2つありますが、一般的なニッケルメッキのネジは電解ニッケルメッキとなります。
光沢があるので特に装飾性を向上させて、耐食、耐摩耗、導通性も少し向上します。
引用元:株式会社八幡ねじ公式HPより
4.クロームメッキ
ニッケルメッキの上に更にクロームメッキ加工しています。
一般的にメッキ加工は、このクロームメッキとなります。
装飾性、耐食性、耐摩耗性を向上させる。
引用元:株式会社八幡ねじ公式HPより
5.アルマイト加工
アルマイト処理ともいいます。
アルミニウム表面に人工的に分厚い酸化アルミニウム皮膜を作る事です。
耐食性、耐摩耗性が向上し、カラーなどが着色出来ます。
引用元:富田螺子株式会社公式HPより
ネジ(ボルト、ナット、ビス)の電食(電蝕)
電食(電蝕)といわれる症状があります。
「異種金属接触腐食」ともいいます。
正式に説明すると、
イオン化傾向の異なる金属が導電性の液体(水など)を介して接触していると、電位差によりイオン化傾向の高い金属が溶け出して腐食する現象です。
金属にはイオン化傾向ステータスがあって、イオン化傾向が高いものと低いものが混在していると高い方が腐食する。
簡単に説明すると、
例えば、アルミの素材の部品に鉄のボルトを取り付けて、その隙間に水分(湿気や雨)が入り込んでしまってアルミが非常に早い速度で腐食してしまう(錆びる)です。
鉄よりもアルミの方がイオン化傾向が高いので、高い方が腐食(錆びる)します。
現象として、鉄とアルミの接触面を水分が隙間を埋める事で、お互いに電位差を埋めようと微弱の電気が発生して腐食させてしまうようです。
下記画像がイオン化傾向ステータスです。
かなり色々な所で調べましたが、意見がバラバラで若干順番が違う可能性もあります。ご参考までに。
私自身が実体験した事でいうと、車のエアバルブで電食を経験しました。
アルミのエアキャップをゴム製のエアバルブに使った事で電食が起きました。
当時はなぜこうなったのか全く分からず力づくでなんとか外れました。
原因は、アルミ製のキャップとゴム製のエアバルブは中身のバルブが真鍮製なのが問題でした。
真鍮は銅と亜鉛の合金で約80%が銅です。
つまり、アルミニウムと銅の組み合わせ。
このように電位差がかなりあるので電食が起きたようです。
ネジのカスタムをする場合は、必ずイオン化傾向で電位差を確認する必要があります。
ネジ(ボルト、ナット、ビス)のまとめ
ネジとは、円筒に溝が掘ってありネジ山になっている形状の部品です。
一般的に、
ボルトといわれるのは、上部が六角形、六角穴などになっていておねじになっているネジ。
ナットといわれるのは、六角形で穴があってめねじになっているネジ。
ビスorスクリューといわれるのは、上部がプラスやマイナスに溝が掘られておねじになっているネジ。
「物と物と止める(繋げる)」のが役割です。
基本的にこの役割は変わりません。
ネジをねじ込む時に右に回すと進むのが右ねじ(正ねじ)で、左に回すと進むのが左ねじ(逆ねじ)です。
基本的にネジは右ねじ(正ねじ)です。
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)の規格や種類
- メートルねじ
- インチねじのユニファイ
- インチねじのウィット
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)のねじピッチ
ねじピッチはねじ山の幅の事をいいます。
- 並目ねじ(UNC)
- 細目ねじ(UNF)
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)が締まる理由は?緩まない理由は?
ボルトは「伸びます」。
「伸びる」と反発する力が「縮む」。
その「縮む」力によってプレートは固定される。
これがネジに求められる「軸力」です。
バネ(スプリング)と同じ作用です。
バネ(スプリング)は伸びたら自動に縮もうとする力が働きます。
その力を利用しているのがネジです。
そして、ネジが緩まないのは「摩擦」があるからです。
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)の種類
ボルトは、
- 六角ボルト
- フランジボルト
- 六角穴付きボルト
- トルクスボルト
- スタッドボルト
ナットは、
- 六角ナット
- 六角フランジナット
- 袋ナット
- ナイロンナット
- 溝付き六角ナット
ビス、スクリューは、
- なべ小ねじ
- 皿小ねじ
ワッシャは、
- プレーンワッシャ
- スプリングワッシャ
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)の材質と特徴
材質の種類は、
- 鉄(スチール)
- アルミ(アルミニウム)
- ステンレス
- 真鍮
- チタン
- マグネシウム
鉄(スチール)のメリットは、
- 安価
- 処理方法次第で特性が変化
- 粘り強く折れにくい
鉄(スチール)のデメリットは、
- サビやすい
- 剛性が低い
アルミ(アルミニウム)のメリットは、
- 安価
- 軽量
- 省エネ
アルミ(アルミニウム)のデメリットは、
- 強度と剛性が低い
- 熱膨張率が高い
ステンレスのメリットは、
- 耐食、耐酸、耐候性が高い
- 剛性が高い
ステンレスのデメリットは、
- 鉄やアルミに比べると高価
- 熱膨張率が高い
チタンのメリットは、
- 軽量
- 剛性が高い
- 耐食性が高い
チタンのデメリットは、
- 高価
- 硬すぎる
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)の表面処理の種類
- ユニクロメッキ
- クロメートメッキ
- ニッケルメッキ
- クロームメッキ
- アルマイト加工
・ネジ(ボルト、ナット、ビス)の電食(電蝕)
アルミの素材の部品に鉄のボルトを取り付けて、その隙間に水分(湿気や雨)が入り込んでしまってアルミが非常に早い速度で腐食してしまう(錆びる)です。
鉄よりもアルミの方がイオン化傾向が高いので、高い方が腐食(錆びる)します。
現象として、鉄とアルミの接触面を水分が隙間を埋める事で、お互いに電位差を埋めようと微弱の電気が発生して腐食させてしまうようです。
以上が【バイクのボルトカスタムをする前に】ネジの基礎知識や性質を知ろう!でした。
ありがとうございました!